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混迷する米大統領選挙

米大統領選挙において、未だ一部の地域で選挙人が決まらない事態になっていますが、そもそも日本と世界の常識が違う事はあまり知られていないので、日本人の我々にとっては不可解でなりません。

そもそも論

日本には公職選挙法というものがあって、違反対象が事細かく決められています。
しかし世界と比較すると、驚くほどの差異があるのです。
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①投票依頼を目的とした戸別訪問の禁止(公選法一三八条)

主要八カ国(G8)はもちろん、世界の国で戸別訪問を全面禁止しているのは日本などほんの数カ国だけです。カナダでは、アパートやマンションの管理人は戸別訪問を妨害してはならないという規定さえあります。マレーシア、インド、パキスタンなどアジア各国でも認められています。
事前の選挙運動については、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダで選挙期間の規定そのものがなく、選挙期間があるフランス、イタリアでも事前運動規制の概念はありません。

②国家公務員法102条1項「職員は…人事院規則で定める政治的行為をしてはならない」

ドイツ、イタリアには公務員の選挙運動を規制する法律自体がなく、アメリカも公権力の行使を禁止する条項があるだけです。イギリス、カナダは選挙管理官が特定の候補者の選挙事務長へ就任することを禁止した条項などはありますが、公務員一般に関する制限はありません。

③有料の政治広告は制限なし(日本の場合)

イギリス、イタリア、フランスなど有料放送での政治広告を原則禁止している国もあります。
カナダは有料放送枠の三分の一を各政党に平等に配分し、残りは下院の議席数と直近の選挙の得票数に応じて配分します。

この際、良い悪いは度外視して

日本と比べて各国の規制が良いか悪いかはこの際置いといて、現実は上記の通りなのです。観てわかる通り日本では犯罪ですが、米国に限らずほぼ違法ではないのです。

 

つまり”不正”と言っても”違法”とは言えない。これが混迷している答えです。
例えば日本では最近、「金で票を買った」という疑いで逮捕者が出ました。

 

しかし、日本以外ではほぼ普通の事なのです。驚くべき事実ですね。

日本国の目覚めの時

何故そのような違いがあるのかに関しては、様々な解釈がありますが、米国のある著名な方の話によると、キリスト教文化において「お金持ちになる事は神から祝福を受けているのだから、神の使いとしてそのお金を貧しい国民に分け与え票を買ってもよい」という考え方が定着しているからだそうです。

 

その点「日本は古代からすべてのものに神が宿る概念や、天皇制の存在によって道徳が確立している」から一人一人に差別なく、法律に無い善悪の判断も自然に出来るという意見です。

 

確かに。とは思いますが、今の日本は何でもかんでも法律や条例にして、善悪の判断を強制しているかのようにも感じます。
本当にこれでいいのでしょうか?日本という国もこのタイミングでそろそろ目覚めなければならないのでは無いかと強く考えます。

 

もしかしたら世界も混迷する米大統領選挙を通じて目覚めようとしているのかもしれません。

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