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国の借金が減れば良い?

我が国日本では、2019年10月1日から消費税が8%→10%になりました。
これまでも0%→3%→5%→8%と、何度も増税されましたが、なぜ消費税増税が必要なのか考察しましょう。

 

①世界の先進国の中で日本は世界一の超高齢化国家となり、さらに少子化となり、国民の需要よりも供給が大きく(需要<供給)、今や20年以上続く世界一のデフレ先進国になってしまいました。

 

②また高齢化による社会保障費の増大が原因だとか、また人は減っているのに、国家予算はなぜか年々増大しているし、国の借金が約1000兆円もあるからとか、いろいろ言われています。
だから消費税を増税して社会保障費に充てたり、借金返済に充てたりしなくてはいけないと思わされています。

 

③さらに働き方改革で生産性向上させるとか、一億総活躍だとかで、消費を促し国内総生産(GDP)を向上させようとしていますが、供給能力も拡大するのでインフレ率は上がりそうにありません。

 

これまで何度増税しても一向に、デフレから抜け出せずにいます。また国内総生産(GDP)も1人当たり名目GDPは低水準(2018年・世界第26位)です。まあまあ順調なのは国の借金返済だけです。
国家の財政運営と債務償還の在り方(PDF:2415KB)

 

ということは、今回消費税を8%→10%にしてデフレが続こうとも、GDPが低水準でも、借金が減れば良い!ということでしょうか?
髙橋 洋一「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした~それどころか…

「国」の立場で考える。

仮に日本国の立場に立って考えてみましょう。
「国」の立場で考えた場合、国家の目的は”破綻することなく常に成長し繁栄”するということになると思います。

この目的のための経済的観点から見た目標は以下の3点になります。
インフレ率2%にしたい。(物価安定→好景気)
財政健全化したい。(黒字化→借金減)
国内総生産(GDP)は向上したい。(成長→繁栄)

世界の先進国でデフレなのは日本だけです。ほかの国では一時的にデフレとなったことはあっても、すぐに抜け出しています。なぜか日本だけ20年以上もデフレから抜け出せずにいるのです。

 

だから過去の経済学が通用しない。学者も政府も日銀もどうしていいのかわからず試行錯誤していますが、まったく効果がありません。世界で初めての経験なので不都合な真実も含めて正直に話し合い議論するべきです。また現在のように財政健全化(借金返済)最優先では、国民の生活は向上せず国家の繁栄も危うくなるでしょう。

 

財務省からマジ回答!日本の借金1,000兆円をどうする?
↑ここに興味深い回答があります。

質問者:このまま借金が増え続けると大変だと思うのですが、解決するにはどんな方法があるのですか?
財務省担当者:借金を帳消しにする魔法の杖はないので、コツコツ借金を返していくしかありません。
そのためのカギとなるのが、「プライマリー・バランス」です。「プライマリー・バランス」とは、その年の政策に必要となるお金を、その年の税金でどれだけカバーできているのかを示す指標です。

ん??魔法の杖はないので、増税しか思いつかない・・・そうです。

質問者:いざとなったらお札を刷って返せばいいじゃんという意見もあるようですが、これについてはどう思われますか?
財務省担当者:「そのアイデア、いただき!」と言いたいところですが、現実はそう甘くありません。
日本銀行が国の借金と同じくらいお札をたくさん刷ると、世の中のお金の量が急に増えて、急激なインフレーション(物価の上昇)という現象が発生します。

ん??デフレ脱却しないといけないのだからインフレになって良いんでしょう。

 

何か変ですね。都合の悪いことがあるなら正直に言ってほしいですね。それでは私たち素人でどうすれば目標を達成できるのか?なぜ目標を達成できないのか?思考実験してみましょう。

国家目標実現の手法と本当の問題点

①インフレ率2%にしたい。(物価安定→好景気)
手法:たくさんお金を刷って、世の中に流通する。そうすればお金の価値が下がり、即インフレになる。
本当の問題点:先ほど財務省の回答では急激なインフレになるからダメと言ってますが、正直な問題は円安に誘導している為替操作国としてアメリカから非難されるからです。(米中貿易戦争のようになるのは困る)また別の問題として日本の優秀な官僚が、能無し呼ばわれされることは最も避けたいことです。

 

②財政健全化したい。(黒字化→借金減)
手法:消費税・法人税・所得税などを増税しすべて借金返済に充て節税を規制し、さらに支出を削減すればプライマリーバランスはすぐに黒字になる。増加する社会保障費は保険料を上げて対応すればいい。
本当の問題点:単純に黒字化するために、増税と歳出削減をするとアルゼンチンやギリシャの二の舞となる。(アルゼンチンとギリシャは増税と歳出削減に励み、プライマリーバランスの黒字を達成したが、景気が悪化して税収が減り、政府は破綻状態に陥ってしまった)
また単純に増税しても節税方法が山ほどあり税収増加に結び付かない。そして保険料を上げると半額負担している企業も人件費が増加し経営悪化につながる。それどころか、まともに保険料を払っている企業は意外に少ない。
だから景気に左右されない最も安定した財源は消費税以外にない。ということも本質的な消費増税の理由です。

 

③国内総生産(GDP)は向上したい。(成長→繁栄)
手法:一人あたりの生産性を向上し、国内自給率を上げ輸入を減らす。
問題点:サービス業の生産性は上がっても、一次産業は人材不足で自給率は上がらない。また生産性が向上すると供給能力が向上するため、ますますデフレを助長してしまうことになる。(【輸出-輸入】が増加して米中貿易戦争のようになるのは困る)

 

どの手法も簡単なことばかりですが、世界と大企業と富裕層の顔色を伺わなければいけない政治では八方ふさがりですね。
あちらを立てればこちらが立たない。何かをすれば他の何かの問題が起きる。ならば何を犠牲にするかの問題にすり替わってしまうだけで、根本的には何も解決しないのです。

デフレ脱却が最重要だ!

これまでの政策について一連の流れを整理してみましょう。

大胆な金融政策(量的金融緩和)
流通するお金の量を増やしデフレマインドを払拭。

大胆な金融政策への期待感等から、それまで円高傾向が続いていた為替は円安の方向に進み、日経平均株価も大きく上昇した。しかし賃金増にもつながらず消費者物価指数も上がらず、デフレ脱却には効果なし。
「大胆な金融政策」の効果と課題 - 参議院

機動的な財政政策(国土強靭化)
大規模な公共投資。日本銀行の買いオペレーションを通じた建設国債の買い入れ・長期保有。

失業者数は大幅に減り企業の経常利益も最高水準。しかし国債の金利で利益を得ていた銀行は、国債を現金化されたが融資増にはつながらず経営不振につながる。しかもデフレ脱却せず。

民間投資を喚起する成長戦略
投資の促進。世界経済とのさらなる結合(グローバル化)。人材の活躍強化。新たな市場の創出。

企業の内部留保が賃上げや設備投資へ向かう成長戦略を進めていくことが重要との趣旨だが、最低賃金はどんどん底上げされ女性活躍も伸びたが人手不足が勃発。

消費税増税(財政健全化)

デフレ脱却をあきらめ、財政健全優先。(予想)益々消費は疲弊しGDP減。

インボイス制度(財政健全化)

(予想)小規模事業者壊滅。人余り。デフレ加速。

このように破綻の道を進んでいるのはなぜだろう?
「国」の立場から見ると、企業には設備投資を促し、個人の賃金は増加したのに需要は増えない。それどころか過労死の問題が浮上し規制せざるを得なくなり結果的に個人の消費は上がらない。人手不足になるとインフレになると思ったら、まったくならない。そこで企業の内部留保を減らす税制改正を行うが、設備投資は増えない。時間切れで消費増税に踏み切り、その後インボイス制度導入でとにかく税収増を狙う。

まずはデフレ脱却が最重要であるのだから、そこに集中しなくてはいけないのではないだろうか。

根本的な原因

企業や個人の立場から考えると、最も大きな要因は「将来不安」にあると思う。
今のままでは何が起きるかわからないという不安から、「国」から飴玉をもらってもホイホイとついていけないのである。

 

そして増税。「備えあれば憂いなし」というべきか。
潜在的に「不安」や「不信」が存在している。この「不」が根本的な原因である。

 

国家財政の目標である
①インフレ率2%にしたい。(物価安定→好景気)
②財政健全化したい。(黒字化→借金減)
③国内総生産(GDP)は向上したい。(成長→繁栄)
には大いに賛同できるが、個々の立場では、いざという時のために自らの身を守ることが最優先となる。

 

国家財政の目標を達成するには、国民を安心させる政策を最優先にしなければいけない。
一時的に収入が向上しても「安心」はなく、リーマンショックからまだ10年余り、企業は「倒産」を最も恐れている。
隣の国からミサイルが飛んでくるし、天災は頻繁に起きるし、原子力は放射能が漏れるし、今の時代に「安心」はほぼ無く「不安」ばかりなのである。

 

まず「国」がやるべきことは「不」の解消であり、国民が「安心」して生活できる政策を優先するべきである。

何はともあれ主悪の根源はデフレ

デフレ脱却してから、次の政策に取り掛かれば「信頼」をもとに強力な協調を得られると思う。

世界最先端の試み

世界で初めての経験であるがゆえに、世界の将来のためにも、我々が犠牲の道を選ぶのではなく、打開していかねばなりません。

 

では他者を犠牲にせず、どうやってデフレ脱却すればよいのか?

 

目標は目標でいいのですが、”目的”あっての目標でなければ意味がありません。
目的は「破綻することなく常に成長し繁栄」することですから、①②③の目標が適切(何のために必要)なのか今一度検討する必要があります。

 

まず「破綻することなく」とは⇒黒字化する⇒借金を減らす
ということになりますが、がそもそも黒字化は必要なのでしょうか?借金がなければよいのでしょうか?
麻生太郎氏による「日本の借金」の解説が超わかりやすい 「経済をわかってない奴が煽っているだけ」

 

麻生さんの言う通り、日本の借金は100%円建てです。しかも94%は日本人からの借金なのです。つまり借金返済は政府がお金を発行すればいいだけです。そうすれば借金は返済できます。
消費税増税~国家繁栄
この時、「円」の総量が増えるので為替操作になる繋がるかも?という心配がありますが、日本(政府)の借金の約50%は日銀です。とりあえず日銀にだけでも返済完了させればいいのです。そうすれば返済額は半分になるし(金)相当の返済額も半分になります。そして日銀は返済されたお金をまた必要な時にお札にして発効すればいいだけです。これで消費税は意味をなさなくなり「円」の総量は増えません。あと社会保障費は建設国債と同様に”社会保障国債”として発行するようにすると保険料を上げずにインフレコントロールが可能になります。

借金は減って、インフレ目標も達成!①②解決!

具体的には日本政府が持つ貨幣鋳造権で、新高額硬貨(一兆円玉とか)を造幣局で製造発行し日銀に返済する。次に新高額硬貨を受け取った日銀は、それを紙幣に変換し次に国債と取り換えるときに使えばいいだけです。またこのお金は市場には流通しませんので為替には全く影響ありません。

あとは「成長し繁栄」⇒GDP向上
となりますが、GDP向上が資本主義国家の成長と繁栄に直結するのでしょうか?「もったいない」民族の日本人に消費を増やせ・貯金しないで使え・内部留保を放出しろ!と言われても心情的に無理です。そもそも資本主義の成長と繁栄は資本が増えるということですから、個人も法人も大量に内部留保しているお金を、どんどん資本に回したくなる仕組みを考えればいいのです。

 

現在日本の株式時価総額が約600兆円ぐらいで日経平均2万2千円なので、企業の内部留保500兆円を自社株買いすれば、論理的には1990年バブル最高値3万8千円を軽く超えます。そこに個人型・企業型の確定拠出年金制度を大幅に拡大させ、節税効果を最大にし、日本株市場のみに適用すれば、個人の貯蓄(現金・預金)1000兆円を皆さんこぞって投資するでしょう。すぐに実現可能です。日銀のホームページで公開されている通り年間5.7兆円ほどETFを買い入れていますが少なすぎますね。

資本増大で景気拡大し確実に国は成長し繁栄します!③解決!

この方法では「お金」の流通量に変化はないので、インフレの行き過ぎを心配する必要はありません。
そして根本的な原因は「不」(不安とか不信)にあるわけですから、これを解決する究極の手法は税収に対する信頼構築です。
どういうことかというと、ここまで上記の説明でプライマリーバランスも黒字化しデフレも脱却し景気も拡大します。しかし税収が単純に増加するかといえば「不」がある限り喜んで税金を払いたいと思う人は増えません。
そこで例えば、ふるさと納税のように税金を納めたら特典がある仕組みを構築すればいいのです。税金をたくさん納めたくなる仕組みを企業向けにも広範囲に拡大するのです。企業にとって利益は借金返済のために必要なのに、税金として支出した分だけ借金が増えます。だから最も単純な仕組みは納税額に応じた国の融資が出来るようにするのです。そうすれば企業にとって赤字になった時の対策のための節税などは必要なくなり「不安」は軽減されます。

 

さらに長期的な視野に立つと日本一国での経済発展ではなく、一つには、国家同士のコラボレーション経済の構築での発展が必要でしょう。日本と仲のいい国は世界にたくさんあります。わざわざ反日の国と組まず親日の国と組むのです。仲間として国家ぐるみのコラボレーション経済を構築するのです。

 

今の日本と真逆の経済構造つまり、インフレ率が高かったり、人口増加率の高い親日国(モンゴルやインドネシアなど)と共同で経済発展するのです。国家の枠組みを超え、特区のような形でも、都市同士の連携でもいいでしょう。

 

二つには、正直な政治活動です。
不都合な真実やリスクを正直に伝えるのです。今は自由に情報発信もできる時代だし、前記①②③を信念とするならば、国民は必ず聞く耳を持つでしょう。

 

三つには、学者や有識者や政治家だけの研究会ではなく、志ある一般の日本人の研究会を発足するのです。
素人だからこそ生まれる発想が、今の世界を大きく変化させてきました。専門知識よりも、「こうだったら面白い」とか、「とにかくやってみよう」という発想が現代の日本に必要なのです。

我々民族は「耐へ難きを耐へ、忍び難きを忍び」の時代を乗り越えた日本人です。「もって万世のために太平を開かんと欲す」時代に突入し団結の時なのです。

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